季刊 はたけ新聞

発行 みやもとファーム 宮本 茂昭 編集 はたけ新聞編集委員会

平成14年3月発行  みやもとファーム・耕す・育てる・楽しむ・食べる はたけ新聞 2002年春号

インタビュー 塾長 宮本茂昭が語るみやもとファーム 1
農業は5年かかる。その5年は1年なのだ。


雪の夜に果樹園が壊れた。

みやもとファームのこの畑?前は、果樹園だったのよ。僕は、父が亡くなって、代々していた農業を継ぐことになった。この仕事を継ぐ前は、想像できないかもしれないけれど会社勤めしていたんだ。

果樹は主にぶどうね。5年前(1997年)のホラ、大雪降ったあのときに、夜中をかけて、雪を果樹棚から落としていたのだけれど、追いつかなくてね、だって、1人でやってたでしょ。追い落としても、追い落としても、棚に雪が積もってしまい、結局棚が壊れてしまったんだ。そして、果樹もダメになってしまったんだ。それで、どうしようかと思ったのだけれど、すぐ頭に浮かんだんだ。何をって?この、今やってる方式で農業をやっていこうということを。つまり、生産だけでなく開かれた農地とこの地域の人との交流が生まれる農業 というものをね。

ファームでやっていこうと決心

どうしてすぐ思いついたかというとずいぶん前から、そう15年になるかなー?若い人たちと練馬区に働きかけていたんだ。農業経営として、農家主体の地域の人が土に触れられ、交流もできて、というシステムを。こういう運動をずっとしていた。

大泉の加藤さん、白石さんなど、いわゆる練馬区の若い農業後継者たち、僕は少し年上なんだけどサ(笑)。東京都の農業試験所の農業普及所が若い農業後継者を育てるため、「樹木の会(みき)」という会があるんだ。会は会長が輪番制で、農業を維持していく為にはどうしたらよいかと模索していたわけよ。運動の成果もなんとか実って、そこで、もう、5年前から加藤さんたちは始めていた。最初に何か新しいことを始めるってことは大変だよね。というわけで練馬で5人目の農業塾を開塾することになったしだいだ。

とはいっても畑はすぐには出来ないからね。まずぶどうの根の除去。これがすごかった。大型ショベルカーを入れて整地をし、天地返しをして土をやわらかくして、半年かかった。肥料だってちがう。

こうして、はたけに肥料を入れて、今のこの形ができたんだ。連鎖障害を避けるため、長方形にしたんだ。それまでいろいろやってみて5年間の試行錯誤の結果がこの方式、この長方形の形なのです。農業って1年に1度しか経験できないんで、一度失敗するとその1年、全部棒にふってしまうんだ。種を蒔いたり、苗を植えたり、土の具合を見たりと、うまく収穫できればいいけれど、失敗もある。失敗すれば次の年を待つことになる。そういう全てを含んで、5年くらいしてみないと何も分からないです。(つづく)

  はたけのかぜ

  おかあ、芽がでたよー!  19番 森脇 由利子

息子が生まれたとき、初孫の顔を見に来た義母がしみじみと言いました。「今は紙オムツがあるからいいけどねぇ。浩一(夫です。『浩一』と書いて『ひろかず』と読みます)の頃は布だったから、毎日お天道様とにらめっこだったよ。泣いてる子供が先か、洗濯が先か…」紙オムツはもちろん、乾燥機なんて考えられない時代に、夫と夫の妹を年子で生んでいる義母はお洗濯だけでも大変だったんだろうなぁと思ったのを覚えています。

でも、私がこの言葉を本当に実感したのは、畑に行くようになってからです。週末の天気予報が雨だったりすると「え〜っ!?種まきはどうなるのかしら?」と心配になり、蒔いてから雨が降ったら降ったで、「種が流れてないかしら?」とこれまた、心配になります。まさにお天道様とにらめっこ!「週末は晴れますように!」と空をにらんでいる毎日です。

このところの風がまた心配の種。夫と二人、不慣れな手つきでかけたマルチやカンレイシャが飛んでいるんじゃないかと、気が気ではありません。「あー、カンレイシャに名前書いとけばよかったかなぁ。マルチが飛んでゴミと化し、どこかでご迷惑かけてるんじゃないかしら?」etc. 気になりつつも、

この春、入学と入園を迎えた2児の母としては週の合間に畑に行くのはちょっと難しい状態です。
そんなこんなで週末を迎え、全てが無事でカンレイシャの中にかわいい芽が出ていたりすると喜びもひとしおです。子供たちも「おかあ、芽がでてるよー!!」と大喜び。小学生になって、小さな反抗期を迎えているらしい息子もとびっきりの笑顔をみせてくれます。自分で蒔いた種が育っていくのは本当にうれしいのだと思います。両親に田舎がなく、都会っ子(練馬が都会だとして…)の子供たちには貴重な体験です。

こうして始まったばかりの我が家の畑ライフ、本当の苦労も喜びもまだまだこれから…。でも、今から収穫が待ち遠しい今日この頃です。
  懐かしさにワクワク  38番 谷口

みやもとファーム農業体験塾一年生。今日で三回目の講習。たい肥を入れる作業に、助っ人のゆりちゃんと思わず「くさーい!でも懐かしい匂い!」を連発。二人とも新潟の農家育ち。土に触れる楽しさ、懐かしさで毎回ワクワク。今から、収穫した夏野菜を使ったメニューを考えている今日この頃。一年間たっぷり楽しませていただきます。皆様よろしくお願いします。
 スタッフ紹介 

 畑にいる時間が大好き!

熊谷理恵さん、高浜真理子さん

「畑にいる時間が大好き」という2人。畑に行く私たちをいつも笑顔で迎えてくれます。
家ではしっかりお母さん(熊谷さん4人、高浜さん3人)の2人は開園9ヶ月前からファームで働いています。

出身校はなんと同じ。短大の先輩、後輩というのがファームに入ってわかって縁を感じましたということですねー。
2人ともこれまでにこの畑で活かせるいろいろな経験をしてきています。

お話を聞きに行った日には、実験農場(レストランの向こう)のルバーブで作ったジャム、そしてみかんの皮で作ったピール(砂糖漬け)の入ったマドレーヌをごちそうになりました。(おいしかった!ごちそうさま)
花作りや花束作り、ケーキやジャム、ハーブや料理、食品加工など、得意分野も豊富な2人です。

今、農場ではたくさんの花に加え、これから楽しめるラズベリー、木いちご、いちごやブルーベリーなども育っているようです。楽しみですねー!




 はたけに出ていると酒がうまくてねー

ボランティアの篠原高義さん

昭和15年、高知県高岡郡で生まれました。
小学校から高校まで、家の農業の手伝いはあたりまえのこととして育ちましたよ。農繁期には学校休んだりしてね。
91歳になる母は、今も一人で畑をしています。時々野菜なんか送ってくれてね、こちらにもあるからなんて言えないよ。

定年退職と同時にこの塾に入りました。ほとんど毎日畑に来ています。キウイ、柿、リンゴ、イチゴ……宮本さんが大らかな方だから何でもさせてもらって本当に感謝していますよ。

ただ、スタッフの2人の仕事のじゃまにならないように、迷惑かけないようにと思っています。こうやって体を使っていると、血圧は正常になるし、肝臓にも良い、酒もうまい、奥さんも喜ぶと思うよ。退職した男の人は、畑に来るといいね。
   はたけをまるごと食べる 

Chou Farci(シューファルシ)  ―キャベツの詰め物―

いつものロールキャベツをまるごと1個のキャベツで作る。
キャベツがたくさん食べられる フランスの家庭料理。

材料
キャベツ1個
詰め物 豚ひき肉 500g
セロリパウダー(または好みのハーブを)
塩 小さじ1、1/2
たまねぎ 1/2個
こしょう
たまご1個
ナツメグ、片栗粉小さじ1
ブイヨン(キューブ2個を水で溶かして)
トマトピューレ 大さじ4
塩小さじ1
コーンスターチ

作り方
ハンバーグを作る要領でひき肉に味をつけてこねる
キャベツは丸ごと入る鍋で約5分間ゆでて、水にさらし冷やす。冷やしながら外側から1枚ずつ葉をひろげてゆき、こぶし大ぐらいの中心部を残し、切り取り、冷えたら水気を切る。広げたキャベツの中心部にひき肉の詰め物をのせ1枚ずつ元のキャベツの形になるように葉を戻してゆく。たこ糸でしっかり縛り、トマトビューレ、塩を加えたブイヨンでふたをして約1時間半煮る。
キャベツを取り出し、煮汁の1/3ぐらいを取り、煮詰めながらコーンスターチを加え、とろみをつけ、塩、こしょうで味をととのえソースにする。人数分に切り分け、ゆでたジャガイモなどの付け合せをつけ、ソースをかける。(芳賀)

発行責任者: 宮本茂昭
編集委員:  北川 公・西川一枝・野本秀夫・橋本やよい・森脇由利子・吉田菊野・志澤小夜子
印刷:     和田 政雄

この新聞は季刊です。すべてはたけの耕作者で構成され、みなボランティアです。