季刊 はたけ新聞

発行 みやもとファーム 宮本 茂昭 編集 はたけ新聞編集委員会

平成16年 2月発行  みやもとファーム・耕す・育てる・楽しむ・食べる はたけ新聞 2004年冬号

農園のはじまり  宮本 茂昭
最近、中国のネギから始まり、アメリカ牛肉のBSE、鳥インフルエンザと食品の安全問題が新聞紙上をにぎわせております。食糧の調達がグローバル化しているので、いつかは起こるのではないかと思っておりましたが、それにしても日本はこんなにも食糧を外国に依存しているのかと、あらためて再確認させられた事件です。
さて、皆さんの野菜の自給率は如何でしょうか。多分 120%を超えているのではないでしょうか。食べきれないほどできてしまったことでしょう。自分の家族だけの為の野菜畑にしては、チョット広く大変かもしれません。でもこれくらいないとやりがいがないと思っている方のほうが多いようですネ。
四年生、三年生は本当に入塾された当時より元気にタフになりました。ビックリしています。新しく入塾した人たちにとってはこれからの一年間、暑い日や寒い日の農作業があって少し大変かもしれませんが、一年もすれば皆さんと同じようにタフで元気な体になります。
二年生は昨年はじめて体験した農作業の手順をもうすっかり忘れてしまっているのではないかと思いますがいかがですか・・・・?
みやもとファームの農園からは、ひとりも落伍者を出さないように、楽しく元気でがんばりますので、この一年よろしくお願いします。
堆肥の管理と指導にあたる篠原さん
今年の豊作を目指して堆肥を入れる
「土がすべて」を実感  はたけ番号 15番 高嶋 真由美
みやもとファーム農業体験塾に参加させていただいてはや一年、言われた事をこなして、遅れない様にするだけで精一杯の一年でした。とにかく微に入り、細に亘り、手取り足取り全てご教授頂けるので、こんな私でもお陰様で野菜を作っている気分にさせて貰っています。それにしても驚くべきは野菜たちの出来の良い事!!ただ、種を蒔いたり、苗を植えるだけであんなに立派に大きくなるなんて!
最初の説明会で塾長の「土が全てです」の言葉がとても印象的で、「そうなんだ、そうかなあ。」とちょっと半信半疑でしたが、この一年で身をもって痛感しました。夏の水やりや、雑草取りも覚悟で申し込んだのですがその必要もなく、二度ビックリ!水は土の保水力が良いからだと考え付くのですが、何故、畑が雑草だらけにならないのか不思議です。
夏のバジルと一緒に持って帰った土をベランダの鉢に入れて試しに花を植えてみたら、今度は逆に排水性が悪くなり根腐れしてしまいました。やはり畑と鉢植えは違うようです。難しいことだらけです。
主人の叔父が京野菜の研究家でその著書によると、あの漬物の「スグキ」というのは京都でも本当に限られた地域の限られた場所のものでないとおいしくないそうです。初めて叔父から貰って食べたときはこれほどおいしい漬物があるのかと感動したことを覚えています。それからたまにデパートなどで買い求めてみてもあの感動には遠く及ばないようです。気候や水も当然関係するのでしょうが、まさに土が変われば野菜も変わるといったところでしょうか。やはりあの京野菜の繊細な味というのもあの土壌あればこそ、先人たちの工夫あればこその現在の地位なのでしょう。
この一年は土から上しか見る余裕がありませんでしたが、少しずつでも土の中のことも見つめられるようになりたいと思います。やはり何事も根っこは大事ですよね。
目標達成:堆肥用の落葉集め ボランティアメンバーの報告
本年度の落葉集めは、90g用のゴミ袋換算で1200袋を集める目標を設定しました。ファームの白板には毎日集められた袋の数値が記載され、目標まであと○○袋と示されていたことは皆様ご承知の通りです。毎年恒例となった八幡神社や近くの公園は勿論のこと、今年は新たな落ち葉拠点が数ヶ所開発されました。練馬区の指定文化財である内田邸の屋敷林もその一つです。落葉を集めさせていただいたあと立派な屋敷内を見学し、欄間や窓の板ガラスまでにも感嘆の声をあげました。
皆様のご協力を得て、目標を超過して1500袋を達成した落葉の集積場は落葉が4mもの高さに積み上げられ、強風に巻き上げられないよう網がかぶされました。
ご協力ありがとうございました。
内田邸屋敷林内の落葉集め
ファームの落葉集積場
                                               畑のメンバーによるアンサンブルファーム
はたけ新聞の「この指とまれ」で集まった仲間が、月1回新宿の高野さん(NO.59)の法律事務所でPM6:00から8:00までアンサンブルを楽しんでいます。今のところハーモニカ、アイリッシュハープ、チェロです。工夫しながら楽しくやっています。仲間入り歓迎します。(高野法律事務所 までご連絡ください)
ファーム恒例の懇親会があったときには練習成果を発表できるようにしたいとがんばっています。                                  記:西川
農業体験塾雑感 はたけ番号 5番 船田 正宏
早いもので入塾以来3年が過ぎ本年で4年を迎えることとなりました。
一昨年12月に第二の職場も定年退職し、昨年は今まで以上に充分余裕があったはずなのに、9月にそれまで11年間入院し、94歳で逝った母を見送ることとなったため後半は気忙しく過ごすこととなり、畑に行く回数も少し減り、冬野菜に専念できなかった面もありました。
私自身はサラリーマンでしたが、教師だった父はもともと百姓の経験があって、終戦直後には今の小金井カントリークラブの近くで若干の農作物を作っており、2歳下の弟と何度かその手伝いをした楽しい記憶がありました。そんなことで、子供のときから農業とか野菜作りには「将来少しでもできればいいな」との夢を持っていました。
就職後は名古屋(4年)、仙台(17年)の地方勤務を含む転勤族であり、仙台で家を建てたときに庭で野菜を作ろうとしましたが、造成地で粘土質のため作物はできず、夢は果たせませんでした。
最後の10年ほどは生まれ故郷でもある東京勤務となり、練馬区田柄のマンションに住むことになりました。幸い、農業の振興、緑地の保全に力を入れている区の方針もあり、農業体験塾なる本塾に入ることができ、皆様のお仲間になりましたが、生来不器用な私はいまだに床がうまく作れず(高すぎたり狭すぎたり)、また大根等の畝を深く耕して石灰、堆肥を混ぜ表面の土を細かくして種を蒔くというような簡単なことがどうもうまくいかず、大根、人参等の根菜類は根が肥料にあたって、出来映え、収穫が共にイマイチのことが多く、手伝いの家内から失笑をかってばかりでこの頃は同行を頼んでも良い返事が返ってきません。
自然相手の野菜作りですから天候に左右されるのは当然ですが、温度、雨量、台風、その他諸々の要素を見極めて毎年、毎月のスケジュールを作られる先生、スタッフの方のご苦労、それ以上にお百姓さんの苦しさの一端を垣間見る思いがしました。
自然の驚異を文字通り実感させられたのは一昨年のことでした。
真夏の日盛りに収穫、草取りを行っていたところ、丈夫だけが取柄の私が生まれて初めて一時的に熱中症に罹り、昼過ぎに頭がボウとして、ふらふらしながら家に戻り(自転車で5分)裸のまま水を飲み、シャワーを浴びてようやく人心地がついたことがありました。塾で何度も注意されていたのに、どこかでたかをくくっていたのでしょう。飲み物も用意せずに作業した報いだったのです。
でも夏の早朝、食べごろになったみずみずしいキュウリ、トマト、なすを採り、日ごとに大きく成長していくトウモロコシ、枝豆の出来栄えを見、冬の大根、ホウレンソウ、ねぎ等々の育成、収穫と味わいの両方の喜びを考えるとそんなことはすぐ忘れてしまいます。
採りたての野菜の美味しさは何にも代えられません。まして飢餓世代の私は大根の葉を無駄にするだけでも大変不愉快です。畑の広さを含め、種、苗の種類、数量、作業時期選定の確かさ、宮本先生をはじめとする明るく気さくなスタッフの方々の適切な指導、そしてできるだけ化学的な肥料、農薬を使用しないという人間と環境にやさしい本塾の基本姿勢が何より有難いものに思われます。
「豊な良い土を作ること」再三先生が言われることです。何回か参加させていただいた堆肥の原料となる落ち葉拾いはくたびれたけれど、これが来年の立派な有機肥料になるのかと思うと力が入りました。
風がよくとおる広々とした畑で、太陽の光を全身に浴びながら行う野菜作りは都会における最高の贅沢です。残る2年間もう少し上手になるように努力し、精一杯これを満喫しようと思っています。


天地返しの大穴と赤土
私にとってのみやもとファーム No.2  はたけ番号 64番 野本 秀夫
私はこの「はたけ新聞」の編集委員に推薦され、まず2002年 秋号で「私にとってのみやもとファーム」を書きましたが、そろそろ5年目の卒業年を迎えるにあたりこの農業体験塾「みやもとファーム」が私にとってどのようなものなのかを改めて見直してみました。
2002年3月の「みやもとファーム農業体験塾便り」発刊後に「はたけ新聞」にリニューアルされ、季刊で年4回、この冬号で8回目の刊行になりますが改めて読み返してみると様々な再発見があります。私は広告会社のサラリーマンで、地元小学校のPTA・地域活動や全国組織の健康福祉関係NPOのサポートなどもやっているので、畑の作業も編集委員も最低限のことしかできていませんが、それでも自分の居場所があり暖かく指導していただき居心地も良く、大変感謝しています。
いろいろな生まれ・生い立ち・年代・職業の人が縁あって、ここ「みやもとファーム」で出会い、汗を流し、多くの方々が5年目を迎えようとしています。「はたけ新聞」を読むとその人その人それぞれに様々な「みやもとファーム」への想いがあることがわかります。
私にとっての「みやもとファーム」への想いとは何なのでしょうか?農業体験塾の塾生・生徒、畑での野菜作り勉強、農村の原風景的な心の癒し、汗を流してのダイエット、中年男の天然健康道場、一週間の心身の健康リズムづくり、種蒔く子供の成長の再発見、何も言わず料理してくれる妻への感謝、一人でマイペースで出来るレクリエーション、塾長・ボランティア・塾生同士の心のふれあい、宮本さんの温かいまなざし、ゆったりとした時の流れとセミや鳥の声のひととき、健康的で美味しい昼からビール、農作業の後のファームランチの贅沢、四季の移ろいを肌で感じるうれしさ、自転車で通える田舎暮らし、柿・銀杏・きゅうり・ナス・白菜・ニンジン・土・虫・青空に触れての色・いろ・イロの美しさ、隣の畑に迷惑をかけない節度、なぜかなくなってしまう共用農具、苗や土などのさりげないサポートをしていただいているボランティアとの方々との細かいながらもある絆、この5月に念願かないやっと初めて出席した懇親会で酔ってしまいゴミ袋に消えた私のケータイ電話を平日一生懸命捜して見つけ出していただいた篠原さんや多数の関係者の方々への感謝の想いなどなど数え切れないほどあります。
小さな喜び、ちょっとの感謝、少々の寂しさやほんの少しの悔しさを重ねての5年目。自作の白菜や長ネギの鍋には肉か魚も自分でやってみようかと思い、区内の小泉農場を遠巻きに見に行ったりもしましたし、次は水田で米かなとも次のステップを欲張ってみたりして・・・・。
まあいい加減な塾生・生徒ですが、何とか無事卒業を目指して最終年の一年間を悔いのないように送りたいと思っています。
農作業労働のあとの団欒
編集後記
みやもとファーム農業体験塾も5年目を迎えますが、入塾申し込みは今年も100名を越える状況で、都会の農業に対する関心の高さをあらためて感じています。当ファームも敷地いっぱいに区画を広げ、できるだけ多くの方に農業体験をしていただくことになりましたが、耕作計画の内容などについても改善を図っていきます。
はたけ新聞はみやもとファーム農業体験塾のみなさまが自ら作っている新聞です。情報紙としても役立ち事ができるよう、みなさまからの積極的な投稿をお願いいたします。

発行責任者: 宮本 茂昭
編集委員:北川 公 ・ 西川 一枝 ・ 野本 秀夫 ・ 橋本 やよい ・ 森脇 由利子 ・吉田 菊野(アイウエオ順)
印刷:和田 政雄